タワーブリッジ炸裂
 

No.3
2003/04/14 (Mon)

Paul Smith本店  1人になったワイはまず高級ショッピング街・ボンドストリートの脇にある『Paul Smith』のアウトレットショップに行ってみた。しかし安いどうの以前に品揃えがよろしくないので撤退。続いてそこから10分くらい歩いてバーリントンアーケードへ。ここには美しいブライドルレザーの革小物が誇れる『White House Cox』のショップがある。頼まれていた定期入れと自分のためのキーケース(なんせこの歳にして自分の鍵のキーホルダーがドナルドダックなもので)を買おうと思い店員と片言英語でのトークに挑んだものの在庫ないとの情報にガッカリ店を後にする。次は地下鉄で昨夜訪れたコヴェントガーデンに再び舞い降りPaul Smithの本店に赴く。どっか個人のロンドン観光サイトでポールスミス氏本人が販売をしてたとのネタも知っていたためかなり期待して行ったものの空振り。肝心の商品の方も覚えてる限りでは日本で18000円だったブルゾンがなんとこっちでは220ポンド(44000円)と倍以上の値が。ロンドン物価高!をまざまざと見せ付けられることとなってしまった。結果的にはこの時の衝撃が服なんかを買って帰る気をなくさせたとも言えるかな。思えば日本と比べて客がほとんどいなかった気もするなぁ。それから隣駅までフラフラ歩く途中でこっちで初めて本屋に入った。いいのあるかなと見ているとスポーツコーナーで競馬の本がただ1冊。『Forecasting the Horseracing ・・・』というタイトルで中を弄るとどうやら英国版予想のノウハウ本のようだ。ネタ的には最適な部類だったが日本語で読んでも当たらない資料を買ってどうする、という冷静な判断が下せたため断念。15ポンドはちとデカかった。一応、ヨーロッパ作の海外競馬のDVDとか名馬の写真集とか売ってたら買って帰ろうという密やかな楽しみもあったのだけど渡英中、HMVとか本屋に何店か寄ってみたが全く売ってなかった。そんなものを売りに出さなくてもいいほど欧州では馬が日常生活に溶け込んでるのかな、と勝手な解釈をその時はしてみたがどうなんだろうか。というわけで何も買ってないけどこれにてワイのロンドンショッピングは終了。これ以後、観光と情報収集に浸っていくことになる。

 今度はロンドンの東側を貶めるべくレスタースクエア駅から地下鉄を乗り継ぎモニュメント駅で降りてみる。1666年にロンドン市の2/3を焼いた大火事があったようでその教訓に60mあまりの大火記念塔を建てたんだと。なるほど、駅前に高い塔があった。階段で上まで登れるようだがそんなものはもちろん素通りして先に進む。 ロンドンブリッジ脇道に反れつつも再びテムズ河に臨むとそこに架かるはそう、ロンドンブリッジ。ただロンドン橋なんちゃらの有名な歌があったような気もするが重厚感こそあれなんとも味気ない橋である。隣に架かるタワーブリッジとはエライ違い様。写真の橋の柱の中央部に「LONDON BRIDGE」の刻印が成されているのが見えるだろうか。おそらく、いやこれは全く個人的な推測だけど自分を見失ったケンカマンが身を投げたのがこのロンドンブリッジではないかと思うんだが、橋から身を乗り出して水面を覗くも土色に濁っていて何も見えなかった。その時彼が川底で待ち受けていたネプチューンキングからマスクを授かりパーフェクト超人・ネプチューンマンと化したのは周知の事実であるところだ。この辺りはオフィス街が多いせいなのかスーツ姿の外人が多々いてカメラが割に合わない。思い出に浸りつつ河沿いを歩く。大きな広場でクリケットをしたりして子供が遊んでた。アイスが実に美味そうだったがちょっと1人で食うのは恥ずかしいので。ショッピングゾーンのヘイズ・ギャレリアや軍艦ベルファスト号を横目に見つついよいよやってきたタワーブリッジ。 タワーブリッジの前にトイレに行きたくなったのでひとまず通り過ぎたところに見つけたスタバのトイレへGO!イギリスでは公衆便所があまりなく(あっても有料が多い)デパートなどにも備え付けのトイレはまずなく喫茶店やパブのトイレを勝手に使っていいという事前情報を得ていたため躊躇わずにズンズン突入。出際、何も買わなかったにも関わらず大学生ほどの女の子が笑顔で「グッバァイ」だって。いいなぁ、この明るさ。嫌な視線を浴びせられたり無下に断られたりの日本では考えられんで、ホンマに。こちらも精一杯の笑顔で応対し気分もホットにいよいよタワーブリッジへと挑む。先ほどのとは打って変わって見るからに豪華絢爛な艶やかさ。切符を買えば塔の中に入れるらしいのだが残念ながらこの時は閉まってて入れなかった。ロビンに会いたかったなぁ。惜しみつつも橋を渡り人波に逆らって歩いていくと前から見覚えのある格好の男が1人。なんと、生き別れたT氏と橋のたもとでバッタリ再会。あれからわずか3時間なのにその後のお互いのイベント話に華が咲く。ちょうどワイとは逆ルートで回っていたらしく「じゃまた」と気楽にお別れ。

 脚がもうOh!No状態だったため素直にそのまま最寄駅に向かえばいいものの、最終日のニューマーケット行き列車の出発駅とダイヤを下調べしておこうとリヴァプールストリート駅に行くことを思い付く。駅まではおよそ4km、オフィスビル以外には特に見るべき物のない街路地をただひたすら歩く。途中ベッカムのアディダスビッグ広告を見つけ思わずフォーカス。ちょうど時刻が午後6時を回り帰宅の途につくオフィスワーカーで賑わう駅に入ってみてビックリ。こいつはデカい。 発車案内のビッグな掲示板昨日のウォータールー駅は言わば通り過ぎただけだったが今回は時刻表を求めて構内を隈なく探し回ったため否応なく気付かされた。なんだかホームが18番ホームまで横に列なっている。まず一番最初の写真は駅の中央天井部に掲げられたデカい両面掲示板。これに1列づつ電車の行先・ホーム番号・発車時刻・停車駅がそれぞれ掲載されている。1台出る度にパラパラ表示が変わってた。まるで空港。これ、目が悪い人は普通に見えないんじゃないの・・・。続いてはようやく見つけたリヴァプールストリート駅発の時刻表。下に覗いてるおっさんの脚と比べるとわかるがこのデカさで横に可動すらする。そのスケールにちょっとばかしカルチャーショック。 イギリス国鉄の時刻表一覧ニューマーケット着の時刻表そしてこれとは別に固定された掲示板で発見した聖地ニューマーケットへの道しるべ。日本で入手していた情報より本数が多くてひとまず安心。ただ本数が減るのはケンブリッジ駅から先の乗り継ぎ電車なので帰りの便がどれだけあるのかは依然として現地に行ってみなければわからなかった。別れ際にS氏と「19時〜20時目処にホテル戻ってメシ食いに行こう」と約束したことを思い出し帰ることに。駅の売店でアーセナルのオフィシャルマガジンと水を買い、途中これまた国鉄発着駅のキングズクロスで下車してみたのだがリヴァプールストリート駅には及ばずともこちらもデカかった。地下鉄内で普通にアーセナル雑誌を読んでいたが後で思ったことは結構ヤバかったのかな、と。ロンドンには今でもプレミアリーグだけで6チームあるわけで地域によって縄張りが別れてるだろうからねぇ。しかもジャポネーゼなんだから、カモられなくてまあよかったってところ。

 ロンドン中心部を囲むように走る地下鉄・ハマースミス&シティラインの終点までのんびりつかの間の休息を嗜むがまた歩く時間がやってきた。ホテルが駅からそこそこ近かったのが幸いだったがもう限界。フラフラと直接S氏の部屋をノックするとすでに彼は帰還していた。部屋の片隅に置かれた紙袋の山から実りのある時間を過ごしたことが想像できる。開口一番「今日はいっぱい買い物しちゃったよ〜♪」とこちらとは明らかに手応えの違うノリノリの反応が。続けて「どーする、これからどっか食い行く?」だって。おいおい、ちょっと待ってくれよと一服を懇願するワイ。どうやらハマースミス駅の、ホテルとは反対側の出口方面に見つけたライブハウスらしきものを見学しに行きたい様子。まあ夜はまだまだ長く部屋に閉じ篭もっていても仕方がないので出掛けることに。 ハマースミスブリッジ実際行ってみるとその建物はオペラハウスか何かで、彼の期待は裏切られることとなったのだが2人はそのまま道ナリに進み彼方にあるであろうテムズ河を目指し散歩を続ける。歴史に名立たる都市を昼間一日観ていたわけだがほんのりした住宅地もムードたっぷりでなかなかいい雰囲気だった(牡馬2頭なのがどうにもだが)。極め付けはこれ、薄暗い空に照らし出されたハマースミスブリッジである。テムズは引き潮の時間帯だったのか、湿った底が見え隠れしている部分もあった。ちょうど後ろを歩いていたカップルにS氏が撮影を頼まれる。ジョギングに励む集団もいたりして地元民にはちょうどいい憩いの場になっていることが窺い知れた。しばらくして橋まで出た上で別方向から駅方面に戻ろうとするとそこにポツンと一軒のパブを発見。 ハマースミスのパブこちらのパブは食べ物はツマミ程度しか置いてなく純粋に飲み物を味わい語り合う場所として成り立っているため客は腹ごしらえをした後にやってくるようなのだが腹ペコだった我々はちと考えた。しかしこのチャンスを逃すなとばかりに入店に踏み切る。結果入ってみて大正解だった。店内はカウンターにいた3,4人の客の他、両脇の奥まったところにもイスとテーブルのスペースが十二分にあってみなのんびり寛いでいるようだった。昨夜コヴェントガーデンで試しに立ち寄って瞬時に出てきた満員のパブとは異なり見るからに過ごしやすそうだ。何より3台のテレビが置いてありフットボール特集をやっていたのがイイ。ちょうど時間が20時を回ったところで司会が「運命のゲームまであと48時間を切りました」みたいな話をしていて「オレら、このゲームのためにわざわざ日本から観に来たんだぜ〜♪」と誇らしげに話したかった(チケット強奪されるといけないから言わなかったけど)。 パブ内部カウンターにて彼はGUINNESSを、ワイはSTRONGBOWを注文。ちょうど写真の角度の店内が見渡せる席に落ち着く。ワイはGUINNESSのマズさ(苦さ?)を経験済みだったため「やめといた方がいいんじゃないの〜」とひと言諌めたもののせっかく本場に来たのだから、とまずひと飲み。途端に彼の顔つきが変わる。結局半分以上残すハメになった。黒ビール手強し。ワイのSTRONGBOWはリーズユナイテッドのユニフォームの胸マークにロゴが入っているメーカーで、初飲みだったがフルーティーなカクテル風味で特にクセもなく満足気に飲み干すことができた。店内を様子見ようとフラついていると写真の一番右手のトルコ系の旦那が話し掛けてきて応戦。この勝負は敢え無くTKO負けだったか、話が続かなかった・・・。しばらくして店を出ようとする1組のカップルが。よく見ると、さっき橋で写真を撮ってあげたカップルだった。向こうもイスに座る2人の東洋人に気付き「さっきはサンキュ〜。どこから来たん?」みたいなトークを幾ばく交わすもこっちの本意が正確に伝わっているのかどうだか。ま、お互い気分が良ければそれでいいのさと思うしかない。パブのみなにバ〜イとサヨナラを告げ、途中のスーパーで食料を買い込みウチらも一路ホテルに舵を握る。彼の部屋で今日一日の無事を祝い再び祝杯を挙げる。12時過ぎに自部屋に戻り今日ゲットした一連のアイテムを並べ記念撮影。ほぇぇ、脚が取れそうだわい(そればっか)。明日は早起きなのだ。

本日ゲットしたアイテム