しばしの静寂もすべてはこの瞬間のために。 果糖数比呂氏 嬉しいPOG初制覇! Congratulations!
POG 3賞
|
編集長のコメント
今季・01-02シーズンは各オーナーの有力愛馬が次から次へと順調さを欠き脱落していったこともあり昨季と比べると全体的に低調なレベルでのつばぜり合いで何やら寂しいシーズンになってしまったわけだが、結果としてはクラシック開幕前のステップレースでポイントをコツコツ稼いだチアズシュタルクを有した果糖数比呂氏の押し切り勝ちで幕を閉じることとなった。相手関係をしっかり把握し勝てるレースを確実に狙って使い込まれていく厩舎の良さを前面に活かした形でこの優勝はまさに山内冥利に尽きるといったところだろう。 惜しくも2着に敗れたしんえもん氏は即戦力候補のスターエルドラードで理想どおり前半戦からポイントを稼いだものの無敗で重賞ウィナーとなったヤマニンセラフィムの骨折戦線離脱はやはり痛かった。 3着には前回に続いてカマーチョ氏が入った。昨季はメジロベイリーでメンバー初のGT馬のオーナーとなった同氏。今季は独占者・モノポライザーでクラシック総なめを目論んでいたが弥生賞前の熱発ですべてが無に帰してしまった。大レース前のひと悶着が付きものの厩舎だけにこれは致し方ないところか。 以下、4位から9位までの各オーナーについてはそれぞれ500万クラスまでに愛馬を送り込むのが精一杯という状況に終わった。やはりどれもドラフト上位指名馬の不遇な成績が響いたのだろう。なお、最下位・バイ男氏の年間獲得ポイント0という前代未聞の記録は5頭所有という背景を思慮しても今後とも滅多にお目にかかれないPOGにおける珍事として後世に語り継がれることだろう。 そして今回気分的に新設されたPOG 3賞だが、殊勲賞はグイッポPOG始まって以来初の快挙を達成したカープファン氏が満票で選出された。対象馬は期間内未出走のまま地方競馬・高崎に転厩することになったトーヨーデンゲキだがそれほどの器をズバリ見抜いた同氏の相馬眼の鋭さが人知を超えたところにあることを認めざるを得ないイベントとなった。年間を通してのインパクトで考えるとこれが一番衝撃的かつユーモア溢れるニュースだったことは疑いないところである。 続いて敢闘賞は、丸1年間走り続けたメイセイプリマのオーナーである果糖数比呂氏が大賞に続いて受賞を浚った。デビュー戦である昨年6/9の2歳新馬を皮切りに出るも出たりその数なんと19戦。今年の3月と4月にはともにひと月で3戦を消化している。しかしなんと言っても受賞の決め手となったのは同馬唯一の勝利をオーナーの御前で挙げたことである。しかもそれは地元ではなく遠く遠征の地・新潟での出来事であった。まさに人馬一体、これほどオーナーに貢献した馬も過去例を見ないであろう。 最後に技能賞。これはオーナーよりもむしろ馬に直接携わる調教師の方を表彰すべきなのだがその影響を多大に受けたという意味ではバイ男氏をおいて他にはいないだろう。ドラフト指名直後のバンドレラの骨折に始まり今回のPOGで巷で最も多くのオーナーを泣かせたと思われるGolden Pond99の競走能力喪失死。総じてがっしりして丈夫な体型を備えるSingspiel産駒においてその例に漏れ追い切りも行えないほど虚弱体質だったアリボロ。そして仕上がりの遅いバレークイーン産駒ながらも最終週に奇跡を起こすかと期待させておきながらあっさり除外の運びとなったピタゴラス。同氏獲得ポイント0という散々な結末はひとえに彼らの行脚なしには為しえない成績であった。 他にもスターエルドラード結局重賞未勝利や、マイネルリバティー幻のダービー馬宣言などどれも話題には事欠かないが今回はこの辺で終わりにしようと思う。 以上、簡単だが今季のPOG戦線を振り返ってみた。最終的な成績表をともに添えておくがこれを戒めとしてそれぞれ来季への更なる健闘を期待している。 |