突撃!浦和の桜花賞      


 
 追いかけてウラワ
 
ド派手メンコのセブンチャンピオン

浦和競馬場
桜の苗木に群がる人々 パドック
ゴール板 スタンド

 国内外の競馬場合わせて21箇所目の来訪地、それが今回の桜花賞の舞台・浦和競馬場だった。池袋から赤羽で乗り換えて南浦和へ。駅前から無料の送迎バスに乗ること5分ばかりで競馬場に到着。実のところ現在の我が家から一番近い競馬場が浦和ということになる。

 正門をくぐると、大井と同じ括りとされている南関所属とは思えぬ雰囲気が出迎えてくれた。宇都宮や高崎の情緒と相通ずるものを感じる。

 ちょうど桜花賞開催ということで先着300名に桜の苗木プレゼントというファンサービスをやっており、お馴染みのブルゾン姿が長蛇の列を成していた。池袋の桜は先週末、中央の桜花賞に合わせるように満開を迎え、すでに今日には葉桜へと生まれ変わってしまっていたのだが、ここはさすが埼玉。本番を前にまだどうにかピンクの風情を保っていた。

 予想外に早く着きすぎてしまったため、春にして寒々過ぎる気候にメインレースまでやり過ごすのを苦労したがどうにかパドックの時間を迎える。そして君の登場を待ってましたと言わんばかりの雨。地方に足を伸ばして晴れ間が覗いた日をここ2年ほど知らない。



パドックを周回するセブンチャンピオン
パドックを周回するセブンチャンピオン

 お目当てのセブンチャンピオンは−10kgだった。ローゼンカバリーの産駒初G1獲得に向けて問題ない仕上がりに思えた。出来如何とは関係なく、単勝と馬連総流しはすでに予約済みである。問題は3連単だった。

 浦和の1600mは発走地点が3角ど真ん中の引込み線からになるため内枠が相当有利という通説がある。理論上、一番有利であるはずの1枠1番にはセブンチャンピオンが収まっている。地方連敗中の私、あれこれ考えても仕方がないとここは運に任せて、内枠4頭のBOX(24点)にする腹積もりはすでに前夜から決めていた。4番には絶好調・内田博幸鞍上のヨウヨウ、そして2番には前述のヨウヨウと前走・浦和で行われたトライアル戦・ユングフラウ賞でワンツーを決めたインフレッタがいて、妙味もたっぷりだった。

 残る端数の600円をどこに投資するかが最大の悩みどころだった。馬連で来そうな目を押さえるか、それとも3連単でガツンと行くか。こんなときはコース経験を重視、と浦和経験のある馬を調べてもみた。6頭経験済みの中で勝ち鞍を挙げているのは3頭しかいなかった。迷いに迷って最終的に投じたのは、不良馬場を加味して、同じく道悪で実施された東京優駿2歳牝馬の2−3−4着馬のBOXとした。

 さて、結果はというと・・・



浦和桜花賞・ゴールシーン
勝ったのは10番人気のミライ

 ゲートを半歩遅れたセブンチャンピオンはそれを挽回するスベもなくじりじりと差を広げられ、道中は馬群から取り残された5馬身後方を進むこととなる。これが父の天皇賞・春の再現(それでも3着だが)となればよかったが、水田のような馬場がそれを許すべくもなくブービーに燃え尽きた。

 レースはハナを奪ったミライが1.7倍に支持されたヨウヨウを出し抜いて見事に逃げ切りを決める。2着にはそのヨウヨウ。3着には後方待機からまくって差したテンセイフジががんばった。

 何を隠そう、この1〜3着の3頭が浦和で勝ち鞍のある唯三の馬たちだったのである。デビュー2連勝を飾るも休養明け後が本調子になく前走の大敗が嫌われたミライが10番人気、そして最近乗れている石崎jr・駿騎乗のテンセイフジが最低の11番人気で、3連単はなんと243670円を記録した。


 逃した魚は過去のどんな偶然的産物よりも大きい、オマエの未来に洋々などないというメッセージだったのか。埼玉の桜は信念を持つべきものの懐にのみ微笑みかけたのである。