グルメリポート in 函館      


 
 1日目 大沼〜乗馬〜亀田半島周遊〜ほっけ
 

ローソン?トイレ?どっちがメイン!?  とりあえず前説から。大沼市街から牧場に向かう国道沿いにあった物件。ローソンの外字フォントより左に構える超ゴシック体のインパクトの方が多大なのは見て明らか。ちなみにさらにその左にはお土産屋が軒を連ねていた。では本編に突入。


 早朝3:20に幕開けした3日間の函館遠征のシナリオはひとりの男のポカで封が切られることとなった。機内で羽田空港限定駅弁(空弁?)「味めぐり」を平らげ意気揚々の男。もちろん記念撮影も忘れない。味めぐりしかしドリンクサービスに肖ったところから状況が一変する。実はこの男、朝オレンジジュースが飲めないという特異な体質を持っていた。程なくしてギュルギュルと腸内菌が精力的に活動を開始し外界に出ようという意欲を絶やさない。こうして着陸後即ピットイン、ジンワリと冷や汗の滲み出る北の大地からの丁重なご挨拶であった。やはり欲張ったお替りがいけなかったのか、牛乳や飲むヨーグルトはドンと来いなのに不思議なものである。気を持ち直して、安堵感に包まれたままレンタカーに乗り込みいよいよ冒険の始まり、となるはずだったが走り出してわずか10分ほどで車内に「あっ!」という響声が轟く。「そういえばカメラ・・・」ただひたすら機中から出ることのみに躍起になっていた男にはひじ掛けの下にその身を隠したデジカメに気づく余裕など毛頭なかったのだった。慌ててANAの案内センターに連絡してその存在を確認すると最終日に受取る旨を告げる。対象が、グルメ撮影用はコンパクトな方がいいと思い持参したIXYだったのが幸いだった。こうして着いてまもなくにして1名がパーティーから離れることとなった。たった1枚、弁当の写真だけをその胸に刻んだまま。

駅前にあったミニカー この日、初日のメインには大沼での乗馬を予定していた。11時からの予約だったのだがなにぶん8時に空港に着き時間にゆとりがあったので函館から早々と大沼に入り市街地を徘徊することにした。大沼とは旧齢4歳の夏にメジロマックイーンが飛躍への足掛かりとした大沼Sにも名を残すかの地である。ただの村だとばかり思っていたが国定公園などの影響もあり来客数はそれなりにあるようで駅前は区画が整備されていた。ちょうど翌週には横浜Fマリノスがキャンプにやってくることも決まっていて街中に溢れる「歓迎」の文字が目に余る。大挙して訪れたチャイニーズと思しき外人の群れに混じって駅舎と土産物屋の熊と戯れた後、早速当地・函館でのグルメ興行の第一歩を記す。大沼だんごといかすみソフトがそれである。 熊の毛皮熊出没注意 大沼名物・大沼だんごいかすみソフト 大沼だんごとはこの街随一の名産品として名を響かせ、どのガイドブックでも記載に漏れがない。箱は6対4で区分けされ「それぞれ大沼と小沼に浮かぶ島をイメージしている」などと包み紙にコメントが載っていたりもするがなんてことはない、あんこ味とごま味の2種類にそれぞれみたらしを付けて売っているのでどうせ両方買う観光客にしてみればみたらしが半分ずつだと確実に多いという安易な発想に起因するものだろうと思われる。しかし、そんな凡人の軽率な意見を凌駕するほど味の方はしっかりしていて楊枝を取る手が動きを止めない。たださすがに2個は量が多かったか、食い切れず生で日持ちもしないため後に廃棄に至ってしまう。世にも珍しいハイグレーなソフトクリームの方はなんと舐めるとメロン味という辺鄙な品だった。だんご屋さん、店頭のベンチ前をソフトクリーム塗れにしてごめんなさいでした。

大沼
⇒ 興味ある人のために写真を別添え。厳密に言うと、こちらは大沼ではなく小沼の方。蓮の葉がなかなかキレイだった。ちなみに上に掲載されている車は大沼公園駅前にあったミニカー。特急列車に乗った客のみ無料で乗り回せるとの但し書きがされていた。

 


 
 人馬一体
 

ダンディなカウボーイ 時間通り大沼の北にある牧場・ドローバーズレザベーションに到着し外乗の瞬間がやってきた。今春に初心者ライセンスを取った時は乗馬クラブの敷地内の小さな角馬場でしか乗っておらず牧場外に出るのは初めてのこと。まず始めに騎乗に関するレクチャーを受けたのだが、ちょうど事前に「経験は?」と聞かれ一応ライセンスを持ってる旨を伝えていたため他の参加者の面前でレクチャーのダシに使われてしまった。ただ一人、馬上から話を聞くことに些か恥ずかし気な男。スタイルが普段競馬で目にするブリティッシュではなくウエスタン(いわゆるカウボーイのあれ)なので手綱は左手一本で操作することを教わる。右手は縄をクルクル回す役目があるから使わないんだなと勝手に想像。同時間帯の参加者は5人でダンディなカウボーイの後ろに高校生程度の未経験者の兄妹2人が付け、一応経験者である男がシンガリを務める隊列で進むことが決められる。説明をひと通り受けると若者たちの両親が見送る中、あっさり90分林間コースのスタートが切られた。前回乗ったのはまだ暑くなる前で馬にたかる虫はほとんどいなかったのだが折りしも今回は真夏ということで、もうレクチャーの時からたびたび天敵・アブ(というか、大きさからしてスズメバチと呼んでもいいような・・・)に絡まれることになる。しかも結果的にはなぜかこの男の乗る馬のところにだけ群がってきていた・・・。「首や脚はいいが背中に付いたアブは馬自身では掃えないから気づいたら手で掃ってあげるように!」という指令が出されていたためその都度「ヒャアヒャア」言いながら泣く泣く手で掃う。実際のところ背中に付くと途端に馬が暴れ始めるので取るしか手立てはなかったのだが。それにしてもキモかった。そんな事情はさて置き、肝心の乗馬の方は実に爽快。草原から林の中を巡り、小川を渡る極上の90分。前半は素人君たちの様子見の感もあり軽速脚(ダク)までに留まっていたがしばしの休憩中に「駆足できる?」というカウボーイの問い掛けに「ええ」と応えてしまった(実際は未経験)ため後半はよりスペクタクルになった。身の丈ほどもある草を掻き分けながら馬が駆ける。言うなれば軽いキャンターといった感じで体が宙に浮きかつて味わったことのないスピード感がたまらない。最後尾で落ちたら誰にも気づかれずにネタになるなぁ、と思ったものだがアブに執拗に絡まれること以外は何事もなく騎乗を終えた。外乗大満喫ナリ。

お馬たち
⇒ サラブレッドよりひと回り大きかったか。男が跨ったのが一番手前にいるジェスローという名前の馬。大人しくていい馬だった。

見えない駒ヶ岳
⇒ 本来なら駒ヶ岳が望め絶景となるはずなのだが快晴ながらもガスらしきものが発生していてうっすらとしか見ることができなかった。これは大沼からの景色でも同様。

大沼牛サーロインステーキ ひとロマンを終え大沼湖畔に戻り今度はグルメに酔いしれる。ランバーハウスというログハウス風のステーキ屋で店の看板メニューである「大沼牛サーロインステーキ300g」をペロリと平らげる。余分な形容詞は必要ない。写真を見るだけでウマさは伝わることだろう。ここで偶然にも先の乗馬を共にした兄妹の一家と鉢合わせしビールにワインにと気分よく酔ったパパさんから函館の旨い寿司屋をお勧めされることとなった。って夫婦揃ってワインなんか飲んで立派な飲酒運転だろうに・・・。大沼ビールと牛乳その後、朝だんごを美味しく頂いた大沼公園駅前を再び訪れ大沼ビールと牛乳を購入。牛乳こそその場で飲み干したが、アルト・ケルシュ・インディアペールエールと揃った大沼ビールは記念にお土産として本土に持ち帰ることにしたのだが最終日に函館空港でもしっかり3種セットで売られているのを垣間見てガッカリ。車に揺られてもう炭酸抜けとるで、こっちは。こうして大沼でのイベントをひと仕切り終えた一行はこのまま函館に直帰するのは勿体無いと2つに割れた北海道西南の半島の1つ、亀田半島周遊を志し旅立つこととなる。しかしこの決断がかつてない旅における最高の恐怖をもたらすことになることを、もちろんこの時点では知る由もなかった(実のところ今回の日記はこの後に起こった身の毛もよだつ出来事を記したいがために書いてます)。

特急・北斗号
⇒ 踏切で停車中にやってきた、函館から札幌に向かう特急・北斗号をぴったりフォーカス。後ろに写るはもちろん大沼。

〜 To be continued... 〜