GUIPPO OWNERS CLUB. Established at Dec.2003
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from MIDWAY Farm

 
 
 
 
 
あいかわらずなボクら
 

GOC前説担当⇒バイ男
2004/04/03 (Sat)


 ツアー当日。この日はポツリと呟くカマーチョの何気ないひと言で幕を開けた。このペアにしてこの天気アリか!?という全く当人どもも慌てふためくかつてない好天の元で、眠い眼を擦りつつ足早に池袋駅へと歩みを進める2人。その最中、他愛のない会話の合間に突然「ちょっと気になることが」とこちらに視線を落としやり話を遮るカマーチョ。「何や?」と返すとただ単に「出てる・・・」とのコメントを発した。その指先が指し示していたものは腹だった。「なっっ!!!」余りにも予測不能な振りに絶句するワイ。上着など要らぬウララな陽気にニット1枚で飛び出したワイの下腹部は最近の過度に渡るストレス喰いも相まってか、確かに並々ならぬほど脹れていた。日頃「ニンニクマン」などと敬して大のニンニク好きであるカマーチョを揶揄していた腹いせか、しかし事実なだけにこの反撃は実に効果的かつ酷なものであった。山手線に乗り込んでから、そして現地に着いてからもこの日1日ポンポンと実にリズミカルな音を弾き出すようになってしまったこの太鼓を無意識に擦っているワイがそこにはいた。

 東京駅丸の内口バス乗り場への予定集合時刻は7:45だったのだが、2人は事前の想定通りやや早めでの現地入りとなった。その実、3週前の笠松〜阪神遠征で敢えなく撃沈した鶏づくし弁当に堂々のリベンジを果たすためであった。しかし、抜群の気合いノリも虚しく問題の鶏づくし弁当は新幹線の改札内でしか取り扱っていない商品なのだった。いや、もしかするとすでに一斉回収された後だったのかもしれない。こうして再会の舞台は整うことなく雪辱の機会はまた次回へと持ち越されることとなった。不本意だったが代わりの駅弁を模索し始めるワイの目に真っ先に飛び込んできたのが『鹿児島地鶏弁当』。10〜15品が陳列されている中からなぜまた鶏をチョイスしたのだろう。マッタク懲りない。そしてカマーチョは深川めしを選んだ。

 見学ツアー初参加で何の予備知識もないワイらが一番気にしていたのが、同行する他の会員の方々についてだった。集合場所に至るまで「若い衆(←一応)がオレらだけでめっちゃ浮いてたらどうするよ〜!?」なんてことを口にしていた2人だったが実際に着いてみてその不安はホッと安堵へと変わることとなる。さすがに見るからに年下という世代こそいないものの、メンバー30人のうち半数以上は25〜35歳の言わば同年代の方々で、そして意外にも夫婦2人で仲睦まじく参加しているペアも何組か見て取れた。座席に着くなり東スポやら競馬新聞やらを開き、そこかしこで競馬談義に華を咲かせていた。その姿勢に何よりも皆純粋に競馬が好きなんだなぁと素直に感心したものである。対するワイは前夜東スポを買わなかったため手持ちの武器は日経だけで、出資馬の見学に行くというのに募集馬のカタログを持参する気配すら見せることがないという体たらくであった。まあ馬に懸ける情熱だけは負けてはいないつもりだが、最近の不貞振りでは説得力がないのも致し方ないところだろう・・・

 8時。遅刻者など毛頭いようはずがなかった。期待に胸奮わせる30余名を包みザワザワと落ち着かぬ車内に構わず大型バスは動き始めた。ノリで買ってはみたものの時間が時間なだけに胃が受け付けないだろ、と無碍に扱っていた地鶏弁当だったが、膝に置くと何かのスイッチが入ったかのごとく自動的に空腹感に襲われた。手を付けない理由はなかった。みそ風味だが身がプリッと引き締まっていてウマい。腹の虫もこの日はご機嫌のようだった。

 コレド日本橋を通過し日頃見慣れた茅場町交差点を通り過ぎ箱崎から首都高に乗った一行が「ここから千葉県」の緑の看板とすれ違うちょうどその時、先頭で人影が動き初めて車内アナウンスが入った。ウインRCの社員の方の懇切丁寧な挨拶が始まり、この日の予定などひと通りの段取りの説明を済ますと社長に替わった。会報などの写真を目にして思っていたことだが、パンチパーマにやや薄いブラウンのサングラスという風貌は実際に眺めると遠目からでもまさにカタギの者とは思えぬ並々ならぬ貫禄があった。しかし、その声色はやんわりと穏やかで後々育成場で接近する機会をもつことになるが至極優しい目をしていた。人を見かけで判断してはイケない、とよく思ふ。でも怒る時はとても怖そうな姿を想像して止まなかった。

 ここからしばし社長の独演会が続く。丁寧な語り口、それでいて聞き手の興味をさらに惹きたてる巧みな旨さがあった。日頃は聞けない競馬サークルの内部関係の話など大変貴重な時間を過ごす。普段人の話を聞かず困り者のワイをここまで没頭させるとはさすがや、と思わず賛同を得ようと横を振り向き途端に我に返る。両の腕をムンズと組み伏し目でやや俯きがち、そして微動だにせぬ男・カマーチョその人だった。あぁぁ、こんなエエ話めったに聞けんでぇ・・・と半ば呆れ返るも、こやつには上原にサッカーボール程度のもんかもしれん、と自らを納得させる。しかしそこからわずか5分ばかり後、ワイは信じられない光景を目の当たりにすることとなる。ちょうど社長の話の最中に「ミッドウェイファームに行かれるの初めての方おります?」という聴衆への振りがあり、前から順にちらほらと手が挙がっていく。面倒ながらワイも1票と自らの手を持ち上げかけたその瞬間、すでに息絶えて久しいと思われた隣の御仏の左の掌が天に向かってジワリジワリと差し出されていくではないか。もはや凡人には周囲を気にする余裕などなく頓狂の悲鳴を上げざるをえない。
 「あんた、起きてたんかい」
 「うぅ、挙げるかどうか迷ったけど・・・」
さすがだんなクラスともなるとやることのスケールが違うぜ!と心からリスペクトし自らの非礼を侘びたその直後、まだ社長の講話半ばにして「グーグー」としっかり音を立ててお休みになられるカマーチョ殿の姿がありました。

 つい1週間前の乗馬クラブへの送迎の際にも通った高速道を遥かに越え、何たらI.Cで一般道に下りたバスはただっ広い平野をズンズン進む。次回のために道を覚えておかねば、とようやく降臨を遂げた天上人と示し合わせるも、程なくして入り組んだ山道を迎え俄かに描いていた記憶の中のダンジョンマップにも敢えなくリセットがかけられることとなる。ニューマーケット、北海道双方で感じた、「付近に牧場がありそうな気配」ゾーンに突入してしばらくするとバスが左折して停車。前方に真新しい厩らしき建物も見えたが、まずはすぐ隣に見えたアパート群に「そっかぁ、ここで生活してるんだもんなぁ」と素人極まりない反応を表す。こうして定刻の10時きっかりにめでたくもミッドウェイファーム到着である。

つづ・・・かない

 
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